乗せられてはいけない世界的な改憲ブームの危険

 最近世の中は過剰なほど様々な出来事が立て続けに起こっています。今年の年初株価が暴落したことやベッキーの不倫騒動など誰も覚えていないでしょう。ちょっと前まではポケモンGOと小池劇場の茶番を見せられたと思ったら、いまはリオオリンピックと夏の高校野球で盛り上がっています。おそらく、天皇のお言葉に関しても、秋の臨時国会が始まったころにやっと思い出すのでしょう。

 そうした俗世の話題は無視するとして、最近ニュースで憲法改正という言葉をよく見るなと思ったので、今日は憲法改正について書くことにします。


 まずは、改正が実現したタイの話です。

タイ国民投票 賛成が過半数 新憲法草案承認へ NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160808/k10010625911000.html

 おととし軍事クーデターが起きたタイで7日に行われた、新しい憲法草案の賛否を問う国民投票は、賛成が過半数を占め、草案は承認される見通しとなりました。この結果、新しい憲法に基づいて、来年、民政復帰に向けた総選挙が行われる見込みです。

中略

 憲法草案は、民政復帰後も最初の5年間は、上院議員は全員、軍の意向を踏まえて任命されることになっているなど、軍の影響力を強く残す内容で、「民主的ではない」と批判の声も上がっていました。

 今回の結果は、軍の政治への関与を容認してでも国を安定させたいという意見や、早期に民政に復帰することでクーデターのあとこう着していた内政を前進させたいという意見がまさったものと言えます。


市民の反応

 草案に反対する市民グループの集会に参加していた女性は「草案は非民主的な政府の下で作られたのに、タイの国民が賛成して、政府に大きな権限を与えたのは予想外でした」とショックを受けた様子で話していました。

 また、国民投票が草案についての自由な討論を大幅に制限した状況で行われたことについて、同じ集会に出席していた男性は「国民投票は独裁的な政権の下で行われ、市民には反対意見を表明する権利もなく、賛成するしかなかった」と強く批判しました。

 一方、バンコク中心部の繁華街では草案への賛成の声が多く聞かれ、ビジネスマンの男性は「暫定政府はよくやっていると思うし、草案も許容できる内容だと思った」と話していました。

 また、男子大学生は「草案が政治家の汚職に対する処罰を強化しているのがよいと思った」と話し、政治家への強い不信感から軍の影響力を強く残した憲法草案を支持したことをうかがわせました。


インラック前首相の支持者の反応

 インラック前首相を支持し、クーデターに強く反発してきたグループは、国民投票の結果を受けて会見し、代表のジャトゥポーン元下院議員が「憲法草案に反対する人は逮捕され、国じゅうが恐怖に包まれている」と述べ、暫定政権が憲法草案について自由な議論を厳しく統制してきたことを批判しました。ただ、「将来的には、権力が国民に属するようになることを信じている」と述べて、民政復帰に向け国民投票の結果を受け入れる考えを示しました。

……転載終わり


 市民の反応からわかるように、軍事クーデターで成立した政権でも、安定のためには賛成してしまうことがあるのです。それはタイで現実に起こりました。今後、経済の衰退が一層進めば、安定を求めてますます与党が強まる可能性があります。決して他人ごとではないのです。


 次に、自作自演クーデター未遂から改憲という安倍政権の見本になりそうなエルドアン大統領のトルコの改憲です。

 実は、クーデターの後に進められている独裁の前から、改憲は進められていました。


トルコ国会、不逮捕特権剥奪の憲法改正案可決  日経新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM20H8G_R20C16A5NNE000/

 【イスタンブール=佐野彰洋】トルコ国会(定数550)は20日、国会議員の不逮捕特権を剥奪する憲法改正案を賛成多数で可決した。与党・公正発展党(AKP)に加え、一部野党議員も賛成に回った。

 今回の改憲はクルド系野党・国民民主主義党(HDP)を狙い撃ちにしたとみられている。改憲案の可決でHDPを中心に130人超の議員の捜査が可能になる。非合法武装組織クルド労働者党(PKK)を擁護する言動などが「テロ支援」にあたるとして、与党はHDP議員の訴追を要求してきた。

 政府と与党の実権を握るエルドアン大統領は20日「私の国民は犯罪者が議会にいることを望んでいない」と強調した。今後、HDP議員の逮捕などをきっかけにPKKと政府側との対立が激化するなど社会の緊張が一段と高まる恐れがある。

 改憲には定数の3分の2(367人)以上の賛成が必要で、今回の採決では376人が賛成票を投じた。

……転載終わり


 この不逮捕特権というものですが、日本にも存在します。日本国憲法の第50条に書かれています。トルコの不逮捕特権が同じかどうかはわかりませんが、不逮捕特権の基本的な理念は同じです。

 不逮捕特権とは国会議員は、会期中であれば逮捕されず、逮捕されても釈放されて国会に登院できる権利のことです。

 なぜこんな権利があるのかを話し始めると長いのですが、例えば王様や政権の座に就く特定の政党勢力などが自分の政敵を政治犯などとして逮捕して彼らが議会から排除されれば容易に独裁が成立してしまうでしょう。

 細かいことは下記のサイトを参考にしてください。

http://www.xn--vcs02wdldnpbczo.biz/kenpou/kokkai/s_50.html

 不逮捕特権がなくなると高低や王、行政府や司法府の力が強まり、国民の代表である議会が機能不全に陥り、独裁が実現しやすくなります。それを避けるために、国会議員であれば会期中は逮捕されず、逮捕されても会期中は釈放されるという不逮捕特権が必要になるのです。

 トルコはこの不逮捕特権を廃止しました。名目はクルド人の権利を奪うためとなっていますが、本当の狙いがクルド人の排除の先にあることは明らかです。

 この前のトルコのクーデター未遂が起こった後ならば、その意味が理解できるでしょう。


 トルコのクーデターは今年の7月15日に起こったのですが、いくつかの不審な点があり、政権側の自作自演だという説がささやかれています。わたしもたぶんそうだと思います。

https://ja.wikipedia.org/wiki/2016%E5%B9%B4%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%BF%E3%83%BC%E6%9C%AA%E9%81%82%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 この改憲は、7月15日の自作自演クーデターを想定したものだったのでしょう。5月20日にあらかじめ憲法改正して不逮捕特権を奪っておき、そのあと自作自演クーデターで都合の悪い政敵を排除し独裁に向かう。クルド人の問題は、クルド問題に悩まされているトルコ国民の支持を得るための方便でしょう。

 エルドアン大統領の手法は独裁者の典型的なやり方だといえます。まず、議会を機能不全にし、全権を掌握する。そのための自作自演クーデターというわけです。かつてのナチスもそうでした。ナチス派共産党が国会に放火したと言い(そんな証拠はなかったのに)共産党を議会から排除し、全権委任法を成立させて独裁へと向かいました。トルコで起こっているのはそれと同じだと考えていいでしょう。つまり、ナチスに学べということです。どこかの国の副総理が言ったことと同じですね。


では、また あした

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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