楽観するほど悲惨な結果をもたらすのが最近のトレンド~イタリア経済1

 昨日は、イタリアの憲法改正についてお話ししました。今日は、経済の話をします。最初に、イタリアの置かれた状況について記事を載せておきます。


国際通貨基金(IMF)は11日に発表した報告書で、イタリアの経済活動が2008年の世界金融危機前の水準に戻るのは2020年代半ばになるとの見通しを示し、低成長がほぼ20年に及ぶ可能性があると警告した。

http://www.bbc.com/japanese/36771705

 IMFは、今年のイタリアの経済成長率見通しを1%弱、来年を1%前後とし、前回示した今年と来年の見通しそれぞれ1.1%と1.25%から引き下げた。

 IMFは、ほかのユーロ圏諸国の経済活動は2020年代半ばには2008年の水準を20~25%上回るとみられ、イタリアと周辺国との格差の拡大が示唆されていると述べた。

 イタリアの経済規模はユーロ圏で第3位。

 報告書では、11%の失業率や高水準にある銀行の不良債権、ギリシャに次ぐ規模の政府債務がイタリア経済の重しになっていると指摘した。

 IMFは、イタリア経済が直面するリスクのひとつとして、英国の欧州連合(EU)離脱による金融市場のボラティリティー上昇を挙げた。さらに、「難民の増加や、世界貿易の減速という向かい風」を下押しリスクとして挙げた。

 IMFは先週、英国のEU離脱を決めた国民投票を受けて、来年のユーロ圏の成長率見通しを引き下げ、今年の予想を1.6%、来年を1.4%とした。国民投票前には成長率は今年、来年ともに1.7%を予想していた。

……転載終わり。


 イタリア政府の債務が成長の重しになっていることが指摘されています。昨日触れた憲法改正もあり、いま国債の格付けが検討されています。


イタリアを格下げ方向で見直し、国民投票めぐる不透明感で=DBRS

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160808-00000008-reut-bus_all

[ミラノ 5日 ロイター] - 大手格付け会社DBRSは5日、現在「A(low)」としているイタリアの信用格付けを格下げ方向で見直す方針を明らかにした。イタリア政府はこれに反発し、異議申し立てをする可能性を示唆した。

 主要格付け会社4社で現在、イタリアを「A」としているのはDBRSのみ。4社の格付けは、欧州中央銀行(ECB)が各国銀行に資金供給する際の担保要件設定に活用されており、格下げされれば、国債を担保にECBから融資を受けている銀行にとってコスト増につながる。

 DBRSは、国民投票をめぐる政治的不透明感、銀行への圧力、ぜい弱な景気回復、海外環境の不安定化を理由に、見直しを定例のスケジュールに縛られずに実施することを決定したと説明。

 この決定を、イタリア経済省はルール違反と批判し、異議申し立てを検討していると発表した。

 DBRSのソブリン格付け責任者、ファーガス・マコーミック氏はロイターに対し、さまざまな要因によって「累積した懸念」が生じたとし、中でも国民投票が決定の決め手となったと述べた。

 DBRSは3カ月程度で見直し結果を発表する見通し。「格下げする場合、2段階以上引き下げることはない」としているが、1段階の引き下げでも「BBB(ハイ)」となりA格を失うことになる。

……転載終わり


 なお、主要4社のうちほかの3者のイタリアの国際的な格付けは次のようになっています(作図の都合上、1位のドイツ、ルクセンブルク、オランダ、スイスが消えています。全部見たい方はこちらから。 http://lets-gold.net/sovereign_rating.php)。

 G7の中ではイタリアが最低格付けで、日本が下から2番目です。イタリアの信用は、投資適格と不適格(ジャンク債)の間で、日本は投資適格債です。政府債務では、日本の方がイタリアよりも大きいですが、日本は世界でもっとも金持ちで、資産を持っている国でもあるのでリスクはそれほどではないと考えられています。

 重要なのは、今回の格下げが「見直しを定例のスケジュールに縛られずに実施することを決定した」とあるところで、これにイタリア政府が反発しています。こうした動きがイタリアの信用不安をますます煽っているとイタリア政府が危惧していることは明らかです。次に、ほかの主要3社も格付けを引き下げれば、イタリア国債はジャンク債になります。こうなると買い手がつかなくなり、金利が上昇して財政危機に陥りかねません。


 イタリアの不安は杞憂に終わると考えている人もいます。


トランプ大統領とイタリア危機は杞憂か ロイターコラム

http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-kengo-suzuki-idJPKCN10K0RN?sp=true

<金融と政治が絡み合うイタリア問題>

 では、イタリアの金融・政治リスクはどうか。7月29日に欧州銀行監督機構(EBA)がEUの51の銀行に対するストレステストの結果を発表したが、その直前に最も深刻な不良債権問題を抱えているとされていたイタリアの大手銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)が資本増強と不良債権の売却計画を発表し、一気に注目度が高まった。この問題が複雑なのは金融と政治が絡み合っていることだ。

 EUでは2008年の金融危機の際に政府が銀行を公的資金で救済した結果、政府債務が増加することで銀行危機が政府債務危機につながる動きとなった経緯から、公的資金で銀行を救済する際にはまず投資家に負担を求める(ベイルイン)原則が導入された。

 ただ、イタリアでは2015年に4つの小規模銀行が破たんした際、投資家に負担を強いた結果、劣後債などを保有していた年金生活者が自殺した経緯がある。10月にはレンツィ首相が政治生命をかけて国会の仕組み(上院の権限縮小)などに関して憲法改正を問う国民投票が予定されているなかで、政府としては投資家に負担を求めることは避けたい考えだ。

 結果として政府による不良債権保証スキーム(GACS)や民間の銀行支援基金(アトランテ)などを通じた複雑な不良債権処理手法を編み出して対応することが発表されている。

 不安要素は2点。この救済スキームが機能して金融システムに対する不安が後退するのかどうかと、レンツィ(民主党を中心とした連立)政権が安定的に継続することができるかだ。

 救済スキームについては複雑であることや政府保証の際に時間がかかるとされること、十分な金額とならない可能性があることなどから実際にうまくいくかどうかは不透明だ。うまくいかなければ、ストレステストの下位行にいずれ不安が拡大するリスクがくすぶることになる。

 国民投票で支持を得られなければレンツィ首相は辞任するとしている。レンツィ首相が辞任しても連立与党は継続するとみられ、政治的混乱は避けられる公算が大きいと思われるが、大敗するなどして連立政権に綻(ほころ)びが生まれれば解散総選挙へ進む可能性もゼロではない。

 直近、反EUを掲げる五つ星運動の支持率がレンツィ首相率いる民主党を上回る結果もみられているなか、総選挙で五つ星運動が躍進すれば英国に続いてイタリアもEU離脱へ向かうのではとの懸念が強まる可能性がある。

 現実的には、EUとしてもイタリアとしても金融危機の再燃や反EU政権の誕生はいずれも避けるべき事項であることから、例外的な公的資金の直接注入を含め、対応がとられることで過度のリスク回避圧力にはつながらないとみている。

 このように、トランプ大統領誕生リスク、イタリアの金融・政治リスクいずれも基本的には深刻な結果になるとは考えていない。


……引用終わり


 わたしも詳しいことを知っているわけではないので、鈴木氏の読み通りになる可能性もありますが、専門家の言うことを信じて失敗するのはイギリスのEU離脱で学習済みです。むしろ、彼らはかく乱要因ではないかと疑っています。

 そもそも、わたしはドナルド・トランプは勝つ可能性があると思っているので、イタリア金融危機もあると思います。

 明日は続きを話すつもりです。


 では、また あした

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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