年金制度はすでに破綻している

 最初に、記事が有料になる直前に見つけた落とし物を紹介します。


年金問題:91兆円に膨らむ企業の年金債務と運用

http://www.globaleye-world.com/2016/08/1931.html

上場企業の年金債務が2015年度末で<91兆円>と過去最大に膨らみ、うち未積立額は<26兆円>に拡大し、業績の重荷になるのが避けられないとされていますが、既に積み立てている<65兆円>も運用不振で<マイナス運用:GPIFは年間で10%近いマイナス)>となっているはずであり、企業が負担すべき金額は<26兆円>ではなく軽く<30兆円>を超えていることもあり得ます。

しかも、この数字は2015年度末の数字であり今の状況を見れば悪化しているのは明らかであり、今後、日本企業はとてつもない赤字に転落する事態になるかも知れず、年金債務一括計上を迫られれば格下げを受けたり、最悪の場合、経営破たんする企業も出てくるかも知れません。

アベノミクス相場で株で儲けた企業も多かったはずですが、今のマイナス金利政策で基本となっている国内債券運用が全く出来ておらず、更には今の<マイナス利回り>で国債などを買えば満期には100%損を計上する羽目になる訳であり、企業年金は今や存亡の危機に直面しているとも言えます。

……引用終わり


 いま、日本の年金は危機に瀕しています。上の記事は上場企業の年金債務が大幅に超過しているという内容です。つまり、年金を払うべき人に払おうとしても、払う金が足りないということです。

 といっても、問題がすぐに表面化することはありません。年金は働いているうちは、現役世代には払われないからです。破綻が分かるのは何年も先のことです。

 この記事が警告しているのは年金債務が企業業績を圧迫するという話で、かつてJALが経営破たんした理由の一つが年金でした。今後も年金の未積立額が増えていくでしょう。さらに世界的な不況が起これば年金負担が重くなり、JALのように高額の年金を支払っている企業は負担に耐え切れず倒産する可能性があります。


 次に年金制度の現在と将来の話をします。

 日本の公的年金を運用しているGPIFは今年に入ってから2四半期連続で5兆円規模の損失を出しています。1-3月期は原油安からくるオイルマネーの株式市場引き上げのために、4~6月期はイギリスのEU離脱ショックのせいです。そして、今度の7-9月期にはイタリアか、スイスか、ドイツで大企業が破たんして株価が下がるでしょう。今度は5兆円では済まされません。

 株式の損失を安倍政権と結びつけるのを否定する人もいるでしょうが、そもそも安倍政権は株価連動内閣と昔は呼ばれていて、株価上昇の恩恵を受けていたのは安倍政権です。加えて、2014年10月に株価を釣り上げて自分の政権運営を有利にするためだけに多額の年金を株式に投じるように変更したことを思い出すならば、株価損失の責任を株式市場ではなく、ポートフォリオを変更した安倍政権に求めるのは当然です。それこそが政治責任です。

 いま、日本は年金を支払うために毎年5~6兆円の積立金を崩しています。年金は、支払う人と、かつて支払っていま受け取っている人がいますが、いまは受け取る人が支払う人が支払った額より多く受け取っているので積立金が減っています。制度的に言うならば、現状、年金を受け取る人が受け取りすぎている可能性があると言えます。

 年5~6兆円を取り崩していると言いましたが、安倍政権は年金運用の失敗で2016年に入って半年で10兆円以上の損を出しているので、本来高齢者世代が1年かけて取り崩す金額を、わずか3カ月ごとに減らしていることになります。半年間の運用損でみると、2年分の年金支払い分が消滅したことになります。

 GPIFの積立金は130兆円くらいあるので、年5兆円とすると26年で年金制度は破綻する計算になります。安倍政権が年金を株で運用しようとしたのは、足りなくなるのが分かり切っていて、リスクを取って年金を増やそうとしたという側面もあると思います。結局、その目論見は失敗して、株価操作にしかなりませんでした。

 いまのまま支払いが続き、26年で積立金がなくなり、以後現役世代の年金支払いで賄うほかなくなります。

 では、その時日本の人口はどのようになっているでしょうか?

 上の図を見ると、2040年ごろの日本の人口で最も数が多いのは65~69歳であることがわかります。人間は年を取るほどに死にやすくなる珍しい生き物なので、それ以降は人口が減少していきます。

 仮に年金を65歳から払い続けていけば、日本で最も人口が多い世代に負担させることになります。

 もうお分かりかと思いますが、2040年の人口構成を見るだけで、今後も年金が65歳から支給されることは絶対にありえないと断言できます。どうして人口構成で最も数が多い世代を負担しなければならないのか、そんなことが果たして可能なのか、まともに考えれば答えはわかります。無理なのです。

 「年金の受給開始年齢は引き上げざるを得ない」

 それは、GPIFが年金運用で何十兆損を出そうと変わらない事実です。このピラミッドのうち24歳以下の部分は今後の政策次第で増えるかもしれませんが、25歳から上の世代はすでに決まっていて、間違いなく2040年時点で最も人口が多いのは65~69歳の世代です。

 年金が70歳から支給されるなら、まだましでしょう。実際にはGPIFの損失と、今後突入する世界不況によって支給開始年齢はさらに引き上げられるか、支給額を減らさざるを得なくなります。

 これは与野党関係ない重要な問題のはずですが、選挙の投票率が高い中高年の意向をくむ日本の全国政政党は年金について極めて否定的な見解を持っています。わかりやすくいうと、年金の支給額を減らすのは無理だということです。そんなことをすれば政権が転覆します。

http://www.akaruisenkyo.or.jp/070various/072sangi/682/

公益財団応身 明るい選挙推進協会より

 今年7月に行われた参議院選挙の投票率を見てわかる通り、もっとも投票に行っているのは65歳~74歳の世代で7割近くが投票に行っています。彼らは年金をもらい始めている世代でもあります。その次に投票率が高いのは75歳~79歳と、60歳~64歳の世代です。

 自民党福田政権が後期高齢者医療制度を出してきたとき、すさまじい批判が巻き起こりましたが、正直わたしは「なぜあんな問題で騒いでいるのか」がわからなかったのですが、75歳以上の人々は割と投票に行く人たちなのです。加えて言うと、選挙時に各党が頼りにするのは労働組合や自前の組織ですが、こうした組織では高齢化が進んでいて、運動員のほとんどは中高年の人々です。つまり、彼らがやる気をなくしたり、敵に回すような政策を進めたりと選挙で勝ち目がないのです。後期高齢者医療制度の時にあれだけ騒がれたのは、なんだかんだ言って日本の高齢者が元気で、政治活動に部分的にかかわっている現役の人もいるからです。

 逆に、日本の選挙運動をする運動員の中で若者の存在感が増せば、政治家たちは若者の側を向いた政治を行うでしょう。このあたりの事情については参議院選挙を手伝ったときに身をもって理解しました。

 つまり、政治的に年金制度の根本的な改革を行うことはほとんど不可能だということです。せいぜいできて支給開始年齢を遅らせるくらいですが、それだっていまの65歳以下、特に50代が黙っていないでしょう。

 以上のような事実を考慮するならば、積立金が消滅するであろう26年後には純粋な賦課方式の年金制度となり、積み立てた人が損することになります。

 わたしを含むいまの40代以下が年金をもらうころには年金制度は破綻していることがわかります。つまり、40歳以下は払うだけ無駄ということです。今後40歳以下の人たちは、孵化法方式ではなく、個人で積み立てる方式に移行することと、国民年金負担の半分を税金から出す現在のシステムを破棄するべきだと主張しなければならないでしょう。なぜ、受け取りもしないものを払わなければならないのでしょう? こういう無意味な苦しみに耐える必要が一体どこにあるのでしょう?

 上のものはあくまで計算上のものにすぎません。しかし、いま世界は過去5000年で最低の金利を記録していますから、今後金利が上がって年金の運用成績が大幅に改善される見込みはありませんし、これは世界的な不況や財政破たんを一切無視した計算ですから、実際にはもっと早く年金は消滅するでしょう。

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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