安倍政権の支持率増加は夏のボーナスが上がったから? そして、最後の宴(日経平均17000円代回復かつボーナス増で実質賃金プラス2%達成)

 今日は久しぶりに日経平均が17000円台を回復しました。利上げ観測が遠のき、ヨーロッパの株価が上昇した流れを引き継いだ形です。円も一時104円まで円安が進んで輸出企業が買われました。

 これくらい上がってくれないと、ジェットコースターが楽しめませんから、いい傾向です。

 わたしとしては、イギリスEU離脱の時みたいに、市場の期待を裏切ってくれないかな、と期待しています。非農業従事者15.1万人増は悪い数字ではありませんし、世界の株式や国債市場が安定していれば上げやすくなりますからね。

 さらに、6,7月のボーナスの増加で給与総額も増えています。


7月の給与総額は37万円余 2か月連続で上昇 NHK

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160905/k10010670111000.html

ことし7月の給与総額は平均で37万円余りで、前の年の同じ月を2か月連続で上回りました。

厚生労働省が、全国のおよそ3万3000の事業所を対象に行った調査の速報値によりますと、基本給やボーナス、残業代などを合わせたことし7月の給与総額は、働く人1人当たりの平均で37万3808円でした。

これは前の年の同じ月と比べて1.4%高く、2か月連続で増加しました。

また、物価が下落したため、物価の変動分を反映した実質賃金は2%の伸びとなりました。

厚生労働省は「夏のボーナスが伸びた企業があったため、賃金が押し上げられた。賃金は緩やかに上昇する傾向にあり、今後の動向に注視したい」としています。

……転載終わり


 色々批判もありますが、官製春闘で企業の利益がボーナスとして還元される流れはあるようです。

(出典:厚生労働省Webサイト)

http://news.mynavi.jp/news/2016/08/05/297/


 上の図は6月までの推移です。基本給など(きまって支給する給与)は最大でも1%に届かず、ボーナスが出る6,7月だけ給与総額が上昇しています。決まって支給する額は今年2,3月を除くと横ばいなので、8月は大きく増減しないでしょう。

 安倍政権を批判している人たちは気づいていないかもしれませんが、最近安倍政権の支持率が上がったのは、もしかしたらボーナスが増えたからかもしれません。逆に、去年安保法のころ(6,7月)に支持率が大きく下がったのは、去年のボーナスが大きく減ったからかもしれません。

 報道ステーションの政権支持率(http://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/graph_naikaku.html)を見ると、昨年6月28日時点では支持率の方が高かったけれど、7月19日には支持率と不支持率が逆転し、8月23日には元に戻っています。これは6月のボーナスが大幅に下がったのが7月の支持率低下につながり、逆に7月のボーナスはプラスだったので8月の支持率が戻ったと考えれば説明がつきます。

 今回は6,7月連続でボーナスが上がったので、夏のボーナスが出た後、8月14日および、9月に行われるであろう支持率の増加に反映されると考えればこちらも説明できます。夏のボーナスの増減は、1カ月遅れで政権支持率に反映されると言えそうです。

 夏のボーナスは支持率と関係ありそうですが、冬のボーナスはそれほど関係がないように見えます。これは年2回のボーナスのうち業績が大きく反映されるのが夏だからだと思います(冬は決算前で出し渋る傾向があるためボーナスの増減幅が小さい)。

 また、過去の例を見ると、ボーナス効果は一時的なもので、その翌月からは本来の政権支持率に戻る傾向がありますので、特に何もなければ10月からは平時の支持率に戻るでしょう。

 今年2月ごろの支持率低下は自民党不祥事がそのまま反映されたと考えられ、参議院選挙直前の支持率低下は野党の支持率が上がったのが原因と思われます。

 言われてみればという感じですが、わりとあたっている気がします。安倍政権は経済政策で評価されている面があるので、ボーナスが上がれば支持率は上がる。今年は6,7月のボーナスが去年より増えたので支持率も上がった。そういう考え方もあります。


 もう一つ、6,7月のボーナスが増えたとありますが、前年同月比での増加であることに注意する必要があります。図を見ればわかりますが去年の6月はボーナスが大きく減少した月であり、昨年6,7月を足し合わせても2014年と比べてマイナスです。今年はマイナスだった昨年と比べてプラスだというのは重要です。基本給など(きまって支給する給与)は横ばいなので、2年前と比べて今年は基本給は上がらず、ボーナスがごくわずかに上がった程度の数字ということになります。

 これを景気回復の言い訳に使うのはかなり苦しいです。実質賃金が6か月連続で上がっているというけれど、それは給料が上がったからというより、物価が下がったことが大きいのです。デフレ脱却という方向性からすると、少なくとも黒田日銀総裁の戦略は完全に失敗していると言わざるを得ないでしょう。

 また、ボーナスが増えたといっても、大企業の内部留保が377兆円と大幅に増加しているのと比べればあってないようなものです。


 もっと大きな数字、雇用者報酬で見ると、2015年の雇用者報酬は2014年から1.6%増加して255.5兆円。また、労働分配率(グロスベース)は0.5ポイント低下して51.2%です。

http://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010010001010100005/1

 他方、使用者側の分配として有名な内部留保はどうかというと、2015年度は377兆円まで急激に増加しています。

企業の内部留保が377兆円超で過去最高 財務省調査 ANN

http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000082556.html

財務省は、今年3月までの1年間で企業が得た利益を社内にためた「内部留保」が過去最高の377兆円に膨らんだとの調査結果を発表しました。

 調査では、大企業から中小企業まで金融・保険業を除くすべての企業がこの1年に利益剰余金として社内にためた内部留保は377兆8689億円で、前の年に比べて23兆4900億円増えたということです。一方で、設備投資も7.1%増と過去3番目に高い伸び率でした。財務省はまた、4月から6月の全産業の経常利益が1年前に比べて10%減少したものの、四半期ごとでは過去2番目となる18兆2639億円になったと発表しました。

……引用終わり

 内部留保は1年で23.5兆円増えていることになります。

 まとめると、確かに雇用者の報酬は増えている(3.8兆円ほど増)けれども、それ以上に使用者側の報酬が膨れ上がっている(内部留保23.5兆円増)ので、労働分配率が下がっていることがわかります。ボーナスが増えたといっても、使用者側から得られたのはごく一部にすぎません。世界と比べてもその下落はかなりものになっています。


日本の労働分配率はこの30年で2割減、アメリカの3倍も激減=日本企業の内部留保は過去最高で貧困は過去最悪

http://editor.fem.jp/blog/?p=1090


 原因として考えられるのは法人税が下がっていることや、日本の労働運動の弱さです。企業がもうかっても、それを労働者に分配するシステムの働きが弱すぎることに加えて、税負担を利益が出ている法人ではなく、個人に押し付ける政治の力関係がこうした事態を招いていると考えられます。

 もう一つ、基本給は上がらず、ボーナスだけが増えたところで、ボーナスを受け取れない非正規や短期の労働者の所得は増えません。非正規労働者だと、時給が数円上がった程度ですから、景気全体には影響が出ず、全労働者の4割を占める非正規労働者の賃金が上がらないことが、消費支出が増えずデフレの原因といえそうです。

 今年の夏のボーナスは上がった。これはいいことです。でも、来年はどうでしょう? 来年景気回復していると思っている人はあまり多くないでしょう。来年は円高などで企業の利益が減るのは確定していますから、これが最後の宴になるかもしれません。

 そういえば、リーマンショック前の最後の一年だけは雇用だけでなく、給料も上がり始めていましたね。いま日本の失業率は3.0%と理論上の完全雇用状態ですから、労働力不足が発生して賃金が上がり始めているのかもしれません。それも結局長続きしません。賃金が上がり始めるころには景気が悪くなって首が切られるというのが資本主義の景気循環なのです。

 すべての運命は9月に決まるでしょう。

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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