3党オリーブの木+共産党の閣外協力による政権交代は可能なのか?

 野党共闘を今後どのようにまとめていくかについて前から記事を用意していましたが、残念ながらほかの記事の更新を優先して後回しになっていました。

 どうやら現時点では、私の予想通りの展開のようです。私の予想は、小沢は民進、自由、社民のオリーブの木に、共産党の基礎票を乗っけるという方法を採用するだろうというもので、読みは的中しました。

 小沢一郎の主導の野党共闘という形になりそうです。少なくとも野田幹事長と小沢一郎という党幹部レベルで話し合いが行われており、社民党は前向きということで、合意を邪魔する要因はなさそうにみえます。


小沢氏、統一名簿受け入れを要請 民進・野田幹事長に

http://this.kiji.is/167228669751657981?c=39546741839462401

 自由党の小沢一郎共同代表が、民進党の野田佳彦幹事長と10月29日と今月2日に行った一連の会談で、次期衆院選での共闘に関し、比例代表で野党が統一名簿をつくる「オリーブの木」構想の受け入れを求めていたことが分かった。関係者が4日、明らかにした。

 同構想は小沢氏の持論で、民進、自由、社民の3党による名簿作成を目指している。社民党は前向きのため、民進党の対応が焦点になる。「犬猿の仲」とされた小沢、野田両氏が立て続けに会談したため、協議内容に関心が集まっていた。

 関係者によると両氏は会談で「オリーブの木」構想について議論。小沢氏は反与党票の受け皿になると説明した。

……引用終わり


 この記事の前から、すでに小沢と野田は共産党を共闘の枠組みから排除することを狙っていることが透けて見えていました。

野党候補の調整、加速で一致 野田氏と小沢氏

http://www.asahi.com/articles/ASJC27H66JC2UTFK02B.html

 民進党の野田佳彦幹事長は2日夜、東京都内で自由党の小沢一郎代表と再び会談し、次期衆院選に向けて選挙区のすみ分けなど、野党候補の調整を急ぐことで一致した。野田氏は自由、社民両党との調整を急ぎ、その後に共産党とも協議する考えを示した。

 会談後、両者は別々に記者団に対応。野田氏は「自由党とはしっかりすみ分けを含めて協力の協議を加速する」と、実務者協議を急ぐ考えを示した。小沢氏も「安倍政権打倒のために候補者調整を加速し、折に触れまた一緒に一杯やろうと話した」と関係改善をアピールした。小沢氏はこれまで、共産党との共闘に否定的な連合や民進執行部の定まらない選挙対応を批判。連合との関係含めて民進が次期衆院選の共闘にどう臨むのか確認のための幹事長・書記局長会談を共産、社民両党と共に求めていた。

 野田氏は「用件はなくても会って小沢氏と様々な議論をしていきたい」と話し、候補者調整は「自由、社民とは特に加速しなければならない。そのうえで共産党とも一生懸命やりたい」と、分けて対応する考えを示した。小沢氏は、連合や共産党については「特別話すことでもない」と会談で触れなかったと明かした。これまで4野党全体で調整してきたやり方が変わる可能性がある。

 野田氏は、1日夜には支持母体の連合の神津里季生会長とも会談。出席者は「お互い色々なものをはき出した」と関係修復を強調。連合幹部は「関係は良好だ」と自信を見せた。(松井望美、関根慎一)

……転載終わり


 今回分かったことは、野党共闘は形だけ(内容の見込みは薄い)維持される方向になりそうだということです。

 この記事には裏があります。表の意味は、野党3党はオリーブの木でまとまり、共産党はそれと別に協力する形で共闘を実現させ、一定の前進を見せたということ。裏の意味は、野党4党内部における生存をかけた権力闘争で小沢一郎が勝利し、共産党が負けたということです。

 大前提として、小沢と野田の考え方からして、民進党、自由党、社民党で話し合い、最後に共産党の基礎票だけをうまく取り込んで、形だけの共闘を進める方向で一致していました。

 ここで一番重要な問題が、野田と小沢の言葉に反して野党3党と共産党との距離にあることは明白です。

 野田は幹事長としての職務を全うし、党内を収めるためには連合と共産党のどちらも捨てることができないという立場にあります。野田の基本戦略は、なあなあでいること、曖昧なままにしておくことです。その点では小沢も意見が一致しています。彼らは、共産党が一緒に政権を担うことは考えていないし、連合もその点で同じなので、その点では意見が一致します。だから、連合幹部は民進党との関係修復に自信を見せているわけです。

 小沢と野田(そして連合)の狙いは共産党を野党共闘に参加させつつも、主導権を奪い取ることにあります。これは野党共闘内部の権力闘争の一種なのです。

 わたしたちが見ているのは表側で、そこだけをみて「野党共闘が進んだ。万歳!」とお題目だけを受け取っている人々はことの本質を理解していません。

 小沢が会議の場で野田を共闘に誘い込むためにあえて共産党の話をしなかったのか(共産党とは小沢が個別に交渉して、自分の立場を強めるつもりか?)、それとも野党共闘の最大の推進者である共産党を形だけ利用して、「どうせ候補者を降ろすだろう」と足元を見て民進党中心の3党オリーブで衆議院の過半数を取るという点で野田と小沢が合意したと考えるべきなのか。一番上の記事から、どちらも正解だったことがわかります。

 小沢氏がうまく共産党を丸め込むのか、丸め込んだのは野田の方なのか、それともうまくいかずに決定的な破たんに陥るのか。いくら共産党でも小選挙区候補者をほとんど出せなければ党勢が弱まると考えるでしょうからそんなことはしないと思いますが、旗振り役の立場を逆に利用されて譲歩を要求されれば呑むしかありません。もし反発すれば、共産党が叩かれる番です。この内容が仮に実質的に合意されているとすれば、共産党としては仮に候補者を出したとしても、勝てそうにない選挙区を申し訳程度にいくつかもらえれば御の字というところです。

 もし一番上の記事の3党オリーブ構想が実現すれば、小沢一郎が権力闘争で勝利したことがわかります。そして、小沢についていくことで前原と野田、そして社民党は生き残ることができます。

 もう一度確認しましょう。小沢と野田の主要な一致点は、野党共闘の枠組みを維持することで市民票と共産党票を手に入れ、集票マシーンとして活用し、ほか3党の勝利に利用することです。

 これを小沢路線で進めるとなれば、小沢と野田は民進党、自由党、社民党の3党でオリーブの木の比例名簿を作り、候補者を三党で選んだあと、共産党と個別に候補者を調整して(参議院選挙の香川選挙区のように勝ち目のない場所で候補者を出させてお茶を濁し)、オリーブの木の3党で衆議院議員の過半数を目指し、共産党の閣外協力路線で進めることになります。一部野田は譲歩を求められますが、共産党が伸びない選挙区ならばしぶしぶ合意できるし、共産党も候補者を出して体面を保てるという計算です。

 これなら、野田、連合、共産党、そして比例で議席を取れるか疑わしい少数政党すべての顔を立てつつ小沢一郎の望む形で野党共闘を進められます。小沢主導の枠組み作りならばこちらの方が自然に思えます。オリーブの木(野党3党+市民)+共産党というパターンの方がより積極的な協力体制が組めるので野党共闘の理想的形の一つといえます。

 ただし、わたしは3党で衆議院の過半数を取ることは全く不可能だと考えています。議席の大小でいうと、3党オリーブは実質民進党と同じものといえます。共産党を入れても改憲勢力の3分の2を抑えるかどうかというレベルなのに、どうしてオリーブの木だけで過半数が取れるのでしょう? 

 つまり、過半数は表向きの目標で、実際には少数政党の保身にすぎないということがわかります。

 あの民進党が主体で、党首や幹事長を変えず、政策面で前向きな合意がなければ、形だけ変えたものを国民は支持しないでしょう。これは実質、民進党に自由党、社民党がくっついただけで、2009年に政権交代したときを再現しようという彼らの妄想にすぎないのです。同じことがもう一度通じると思っているのでしょうか? 

 彼らがそこまで高い自己評価を持っているとは考えたくはありませんが、民進党が見放されつつある現状を考えれば、オリーブの木で民進党という党名を隠し、執行部を多少変えれば今の状況より多少ましな結果が期待できます。

 このシナリオの小沢と野田にとっての利点は、小沢にとってはオリーブの木で野党第一党の選挙対策の仕事を得られ、かつ野党共闘で小沢と自由党候補者の次期総選挙での当選が見込めることがあげられます。野田にとってのメリットは、野田と蓮舫もいまの立場を維持したまま、看板を付け替えることで戦えます。連合も、共産党と政権を組まないから電力総連の人物である神津氏は喜んで協力してくれるし、社民党にとっても比例名簿に乗せてもらって議席を確保できる。民進党(野田、蓮舫)、自由党(小沢)、連合(神津)、社民党にとっては現状を維持しつつ互いにとってWINWINの関係を築くことができます。

 これは誰にとっても利益があるシナリオです。民進党がやや不利に見せますが、3党が比例の統一名簿を作り、最終的に民進党に吸収するならば総合的に見て有利と見ることも可能です。

 ただし、3党オリーブ共闘には共産党のメリットは驚くほどありません。候補者次第ですが、勝てる地域は先に民進党がとり、自由党と社民党や連合の候補者は優先的に選んだうえで、残りを共産党が候補者を出す形になる可能性が最も高いでしょう。つまり、出したところで勝ち目のないということです。それなのに勝ち目のある選挙区で候補者を降ろし、候補者が出せないうえ、市民票の大部分はオリーブの木に流れて、比例票も伸び悩むことは目に見えています。つまり、この枠組みは一見すると望ましいものに見えるけれども、共産党の犠牲の上に初めて成り立つ枠組みだということです。そして、共産党が得るものは何一つない。野党共闘の旗振り役に対して、この仕打ちは本当に正しいかどうか疑問です。なにより、勝ちに行く気がない見せかけだけの共闘であるということが問題です。

 それでも、この枠組みには多くのメリットがあります。現状で取りうる負けを最小限にするための最有力のシナリオといえます。しかし決して勝ちに行くシナリオではありません。まず、政策面での共闘の基本部分が国民に見えづらく、なにをやるのかがあいまいなままになっています。鹿児島と新潟と示された原発問題の民意を取り込めるかが鍵になりますが、それを入れようとすれば連合と共産党の二択を迫られるでしょう。

 つまり、結局問題は何も解決していないのですが、小沢の3党オリーブの木+共産党という枠組みが成立すれば、解決しているように見せかける効果くらいはあるでしょう。その効果がどの程度のものかは次の選挙ではっきりとわかるでしょう。結果は、改憲派が3分の2を引き続き取るか、頑張っても自公は過半数を確保することになるでしょう。

 いまさら野党共闘を語ったところで、わたしの野田佳彦に対する不信は決して消えません。総理になった瞬間から嫌いな総理大臣はこいつと安倍だけです。

 結局、野田は自分が当選したいが、共産党の候補を推すつもりは毛頭ない、それで小沢氏が野田氏に合わせたということでしょう。「最後に共産党をうまく利用して議席を増やして自分たちの地位を守ろうと」その点で同意したのでしょう(我ながら嫌味な言い方ですね)。彼らの浅はかな戦略が透けて見えます。とはいえ、野党共闘の大義名分を小沢に握られた共産党にできることはたいしてなさそうです。馬鹿正直な彼らにはふさわしい末路かもしれません。彼らは権力闘争に負けたのです。

 この世界で最も多くの利益を得るのは仕組みを作る者です。共産党は仕組みを作ることができませんでした。仕組みを作ったのは小沢一郎です。小沢は自分の生き残るために作り上げた枠組みを作り上げつつあります。くそまじめなだけで名ばかりの共産主義政党にはできないことです。

 この読みがある程度正しいとしても、完全には正しくない可能性もあります。

 もし3党オリーブの木構想なら、小沢一郎がなぜ「民進党の解党」を言ったのかわからないからです。実際にはもっとも深い何かが起こっている可能性もなくはありません。

 老獪な小沢のことですから、まず生き残りを画策して民進党との統一名簿の合意を取り付けるのが最優先なのは理解できます。問題はそれで満足するか、次に比例名簿で共産党との統一を目指すか、選挙区では逆に共産党側に一部譲歩して協力を取り付けるかです。前者は小沢一郎が「民進、自由、社民の3党による名簿作成を目指している」ことから、ありえません。選挙区調整は当然やりますが、先に3党で候補者を選び、共産党に候補者を降ろさせるつもりなのは下の記事から明らかです。

 とはいえ、この構図は共産党に全くと言っていいほどメリットがありませんので、協力を引き出すためには一定、譲歩するでしょう。比例では組めないので、何人か統一候補を推す形が考えられますが、その場合は野党の得票を合計しても勝ち目のない選挙区で統一候補を推すという形になるでしょう。

 小沢の立ち位置からすれば、共産党をもっとうまく利用して野党共闘における小沢の政治的影響力を取り戻そうとしていても不思議ではありません。小沢が民進党、自由党、社民党の3党および市民と、共産党の間の利害調整役として、強い影響力をふるおうとしていることは間違いありません。それは民進党の野田と前原を抱き込んだ戦略勝ちです。小沢は権力闘争の勝ち方をよく知っています。敵を明確にし、味方を増やすやり方を知っています。

 しかし、それが政権交代につながるかは疑問です。小沢は政権交代に成功した前例を踏襲して、同じ結果が得られると信じ込んでいるようです。それが結局、この国を破滅に導くことになることに、小沢はまだ気づいていない可能性があります。数合わせでは政権交代できないという厳然たる事実に目を向けない限り、小沢の願いは実現しません。

 野田、小沢、連合、自由党、社民党、共産党、市民連合の立場を俯瞰したうえで上2つの記事を読むならば、3党オリーブの木と共産党閣外協力路線が最有力シナリオと思われます。衆議院解散総選挙までに選挙区の調整が終わるかは不明です。

 とにかく3党オリーブが成立すれば、民進党は自由党、社民党を吸収しつつ、野党第一党の地位を次の総選挙まで守れるでしょう。次にその地位を維持するためには、日本維新の会と戦って勝たなければなりませんが、次期総選挙に勝てば次はおそらく出馬しないであろう小沢氏には関係ないのでしょう。

 と、全体的に否定的なトーンになっていますが、表向き前進していることは確かで、問題はさらに前進する気が小沢と野田にあるのかということで、わたしはその点で極めて否定的な見方をしていて、さらに前進が見られるなら歓迎すべき動きだと考えられます、ということで長文のまとめとしたいと思います。

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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