民進党中心の野党共闘はなぜ市民と共産党を裏切らざるを得ないのか~日本の未来と野党共闘7~

 わたしが徹底的に批判している民進党中心の野党共闘という枠組みについてですが、それを批判するべき根本的な理由を明らかにするために、あえてうまくいった場合を想定してみることにします。

 例えば野党共闘が仮に成功して衆議院で過半数を取れたと仮定してその後どうなるのでしょうか。

 すでに書いたように、民進党中心の野党共闘を実際に進めていけば、民進党の進めたい政策によって、共産、自由、社民と自民、公明、維新を使い分けていく方法を採用することになるでしょう。しかし、民進党中心の野党共闘で過半数を得られたとしても、参議院では自民党が単独過半数を得ているので、実際には野党共闘で市民が目指す法律を通過させることはできません。安保法制を廃止することはできないのです。

 そこで民進党は決断を迫られます。共通公約の実現をあきらめるか、それとも自民党側にすり寄って政権の維持を優先するか。ここでは蓮舫―野田体制で衆議院の過半数を取れたと仮定しているので、間違いなく後者を選ぶだろうことがわかります。

 つまり、蓮舫―野田体制のもとにある民進党中心の共闘で過半数を得ても、野党4党で政権を進めるのではなく、市民の意見を踏みにじり、共産党他の野党を捨てて、自民党にすり寄ることで政権運営を行う未来が起こります。つまり、自民党、1%のための政治が相変わらず続く未来が確定しているのです。

 これがわかっていたから、参議院選挙ではなんとしても自民党に単独過半数だけは取られてはいけなかったのですが、実際には取られてしまっています。状況を変えるためには2019年7月の参議院選挙を待たなければなりませんが、そのころには小池=橋下の日本維新が誕生しているはずで、議席の大幅増のハードルはさらに高くなります。維新との共闘はあり得ませんし(民進党が自民党と敵対したまま、共闘という言葉をもてあそんで維新と連立する選ぶ可能性も0ではありません)、そのころまで民進党と共産党の関係が続くとはわたしにはとても思えません。

 野党共闘がうまくいく仮定は一つしか考えられません。次の総選挙で民進党が単独過半数、共産党など野党4党合わせて衆議院の3分の2を確保できるほど圧勝する場合です。この結果であれば民進党は市民と共産党を裏切ることなく、自民党が反対する共通政策も実行できますが、市民もほかの野党も、蓮舫=野田体制の下でそんな結果を出せるとは信じていません。選挙予想では自民党は30~40議席減らすが、単独過半数は維持するというのが大方の見込みで、過半数割れしても、自民公明維新の連立になるだけです。

 したがって、今の枠組みの野党共闘に未来はないということが明らかになるのです。

 ではどうすればいいのか。答えは必ずしも一通りではありませんが、自民党が安倍の言うこと以外まったく聞かない政党であり続ける限り、自民党の協力を得るというシナリオは考えられません。2019年7月以降に焦らずに政権を取りに行くつもりならば、現状の枠組みでも構いませんが、そのときまで共闘が維持できるとはわたしには信じられません。トランプ大統領が誕生したように、今の世界は「一寸先は闇」状態です。共闘すべき公約がなければ、共闘は維持されません(今後12月利上げで世界同時不況に陥れば可能かもしれません)。

 野党共闘で衆議院で3分の2を取れる枠組みを作らなければ、共闘による政権奪取は間違いなく失敗します。これはいまの国会の党は別議員数から明らかです。衆議院でも参議院選挙でも自民党が単独過半数、衆参両院で改憲派が3分の2を占めているいま、真っ向から対立する政策を通すには衆議院で3分の2を目指すしかありません。

 そういう意味では、失敗したほうがいいのかもしれません。下手に野党が過半数をとってもなにもできないか、自民党にすり寄るしかないのだから、改憲を不可能にする衆議院での3分の1を共闘で確実に得るという目標を追求する方が現実的です。そういう現実的な切り替えも考えられます。

 わたしはこうした態度を敗北主義と呼びます。つまり、戦う前から勝つことを考えず、できる限り小さく負けることを、あるいは小さく勝つことだけを考える態度です。

 わたしは野田が共闘に前向きになった理由を知っています。前回の参議院選挙では、民主党時代の議席を失う戦いだったけれど、今回の衆議院選挙は、共闘すれば議席を伸ばせる選挙だからです。だから、野田は幹事長としての立場を守るために共闘を進めようとしているのです。もちろん、野田は勝てないことを知っています(知らないならばいますぐやめるべきです)。つまり、少しだけ勝つことができる共闘、共産党の候補者を減らして、共産党を弱体化させられる共闘を野田は支持したのです。彼にとって共闘は彼の目的を達するために必要なものなのです。

 野田は勝つふりをして、共産党を利用し、少しだけ民進党の議席を増やして幹事長の立場を守りたいだけです。これは悪意から言っているのではなく、野田の立場を理解しているからこそ、これが事実だと断定しているのです。

 民進党中心の野党共闘という枠組みを支持する人々は裏切られるでしょう。なぜなら、それは絶対に勝てない枠組み、小さく勝って生き残ろうという身勝手な利害関係によって構築されたものに過ぎないからです。


 では、どうすればいいのか。いくつかシナリオを考えてみましょう。

 1つ目のシナリオは、次の衆議院選挙では改憲派の3分の2割れを目指して勝ち、2019年の参議院選挙で自民党単独過半数を奪い取り、その次の総選挙で勝利して政権交代を目指すシナリオです。この場合、解散時期は2020年の東京オリンピック前後が有力ですが、小池総理シナリオともかぶります。メディアはすっかり忘れ去られた共闘よりも、小池=橋下の日本維新政権を望む声に誘導するはずなので、勝算は極めて低くなります。つまり、結局勝てないということです。

 勝つためには相手の嫌がることをするのが基本です。つまり、自民党にとって最大の脅威は何か? を知る必要があります。

 まず、民進党は自民党にとって脅威ではありません。ついでにいうと、市民だって大した数ではないし、資金力があるわけでもありません。自民党にとって最も伸びてほしくないのは日本共産党です。

 野党共闘で多少議席を削られたところで、右と左に分かれていて政権時代のネガキャンでいくらでも叩きようがある民進党など、安倍政権にとっておそるるに足りません。過半数を取られる心配はまずないし、維新と協力すれば改憲派の3分の2を維持できるという見込みもあります。そういう意味では、メディアで正義の味方扱いされていて人気のある小池百合子と、改憲派として協力してくれる橋下の維新連合の方がずっと厄介です。

 しかし、それ以上に安倍政権にとって都合の悪いのは共産党の躍進です。なぜなら共産党はほとんどの地方と中央で自民党とつるんでいる民進党や維新と違い、徹底して安倍政権を批判し、安倍政権の意向に従うことが絶対にないからです。

 これは安倍政権に限らず、両建て戦略で自民と社民、自民と民主、自民と維新と民進を制御下に置くことができる特権階級にとって、共産党は何が何でも議席を増やしたくない政党なのです。連中にとって民進党が3議席増えるより、共産党が1議席増える方が危険です。日本で他にこういう政党はありません。

 安倍政権にとって最大の現実的な脅威は、実は共産党の躍進なのです。それに次いで恐ろしいのは、小池=橋下維新新党による政権奪取ですが、これはタイミングをコントロールして味方に懐柔できる見込みもありますし、仮に政権を取られても改憲という安倍総理の彼岸を達成できる可能性があります。しかし、なによりも安倍政権にとって都合のいいのは民進党中心の野党共闘です。

 もう一つ安倍政権にとって嫌なのは、市民が労働組合を取り込んで独自で候補者を立てることです。安倍政権はなんでもかんでも制御下に置こうとするので、制御できない市民が力を得て候補者を出すことを恐れるでしょう。これも安倍政権へのけん制となります。

 以上をまとめると、安倍政権にとってもっとも嫌なシナリオは、市民と労働組合と共産党が共闘して統一の候補者を立てることであることが明白になります。

 次回は、このシナリオを成功させるための枠組み作りについて考えてみたいと思います。

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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