産経の1月解散先送りは観測気球なのか

 衆議院解散についてなんとも奇妙な報道が出ているので、少し考えてみましょう。産経新聞ですが、1月の衆議院解散を見送ると決断したと書いています。


衆院解散1月見送り 首相決断、来秋以降に

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161215-00000060-san-pol

 安倍晋三首相(自民党総裁)は、来年1月の衆院解散を見送る方針を固めた。各種情勢調査の結果を分析した結果、現状で衆院選を実施すれば、自民、公明両党で3分の2超を有する現有議席を割り込む公算が大きく、衆院任期2年弱を残して勝負を打つメリットはないと判断した。来夏は東京都議選が予定されているため、次期衆院選は来秋以降にずれ込む見通し。 

 首相は、年末か来年1月の衆院解散を選択肢の一つとして、自民党の古屋圭司選対委員長に所属議員の集票力などを調査・分析するよう内々に指示していた。若手議員の一部差し替えも検討したが、民進、共産両党などが共闘して各選挙区の候補者を一本化した場合、自民党の現有議席(292議席)を割り込み、与党の議席数が3分の2を下回る可能性が大きいことが分かった。

 加えて、衆院任期を2年近く残して厳冬期に衆院選に踏み切れば「党利党略で国民を振り回すな」という批判が強まりかねない。首相はこのような情勢を総合的に勘案し、1月解散を見送った。首相は周囲に「1月の解散はない。メリットはない」と語った。

 来年の通常国会では、平成29年度予算案などに加え、天皇陛下の譲位に関する法整備など重要案件を抱えている。米英伊比など各国で首脳交代が相次いでいることもあり、首相は今後、外交・安全保障や内政などの政治課題に全力を傾注する構え。

 首相の悲願である憲法改正に関する審議は来秋の臨時国会以降に持ち越されることになる。このため、憲法改正の本格審議を前に、首相が来秋に衆院解散するかどうかが政局の焦点となる。合わせて日本維新の会など第三極勢力の動きが活発化する可能性がある。

……転載終わり


 産経が書いていることを鵜呑みにすることは危険なので立ち止まって考えてみましょう。まず、解散を先送りするであろうという根拠は一応筋が通っています。が、問題は信頼度です。

 産経はご存知の通り安倍政権、自民党の広報新聞のような役割を果たしています。産経は安倍政権に都合のいい報道しかしません。そうした考え方をしてみると、このタイミングで「解散先送りだ」と官邸が言ってほしがっていると、解釈するべきです。

 よく読むと、この記事には『周囲に「1月の解散はない。メリットはない」と語った。』とは書いてありますが、誰に向けていったのか不明です。産経の記者にだけ打ち明けたのでしょうか? それならば週刊朝日などが総選挙の予測をしているのはどういうことでしょう?

どこよりも早い! 衆院選当落予測「注目の141選挙区を分析」〈週刊朝日〉

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161213-00000149-sasahi-pol&pos=3

 安倍政権が2017年1月解散、2月総選挙を断行するという。カジノ法案を巡り、自民、公明、維新の間で“選挙密約”が結ばれ、民進は選挙支準備金200万円を配った。

 では、2月総選挙となった場合、結果はどうなるのか。本誌は政治評論家の浅川博忠氏と政治ジャーナリストの角谷浩一氏に、各政党の獲得議席数と「激戦」が予想される14都道府県の選挙区の予測をしてもらった。

 結果は真っ二つに分かれた。浅川氏の予測では、自民党は現状維持の292議席で、自公合わせて328議席となり「改憲ライン」である3分の2(317議席)以上の勢力を維持。事実上の完全勝利、という予想だ。浅川氏がこう語る。

 「民進党新代表の蓮舫氏は知名度はあっても迫力不足。その上、野田佳彦前首相を幹事長にしてしまったことで、民主党政権時代の失政のイメージを払拭する機会を失った。アベノミクスへの対案も相変わらず出てこない。思い切って選挙までに代表を代えるくらいのことをしないと惨敗でしょう」

 一方、角谷氏の予測では、自民党は32議席減の260議席。自公に加え、新たに「改憲勢力」に引き入れられそうな維新を合わせても301議席となり、3分の2を割り込んだ。民進党は30以上議席を伸ばして130議席。共産党も7議席増の28議席となるなど、野党が躍進する。安倍自民党の「墓穴」とも言える負けだ。

 このシナリオのカギを握るのは、参院選でも試みられた「野党共闘」の成否だ。角谷氏がこう語る。

 「参院選と同じ程度の野党共闘でも与党は3分の2を割るでしょうが、野党がここまで議席を伸ばすには民進、自由、社民の3党がオリーブの木(統一名簿方式)でまとまり、共産党が小選挙区でほとんどの候補者を降ろすことが前提です。もっと進んで野党3党が一つの党になるところまでいけば、自民党はマイナス60議席もあり得る」

……引用終わり


 単に朝日が先走って産経が正しいという可能性はもちろんあります。

 しかし、この記事には不自然なところがあります。まず、解散総選挙についていくらでも嘘をついていい、首相が、なぜこのタイミングで1月解散を否定しなければならないのか、ということです。自民党で調査をしていることは知っています。わたしのところにも自民党かはわかりませんが、明らかに総選挙を意識した世論調査が来たことからも、自民党が世論調査をしたのは間違いないでしょう。そして、その結果、3分の2を維持できない結果が出たというのはありえることです。実際、上に引用した週刊朝日の調査では、3分の2を割り込むという予測も出ています。

 しかし、解散について総理はいくらでも嘘をついていいことになっています。産経が安倍の嘘を垂れ流す広報誌であることは明らかですから、この記事は産経が安倍の嘘を、嘘であるかどうかにかかわらず垂れ流している記事と考えることは自然です。

 となると、嘘つきの安倍と、安倍の広報である産経新聞の狙いを理解するならば、逆張りで1月解散2月総選挙はありえると言えるでしょう。

 しかし、正直実際行われるかどうかについてわたしは冷ややかに見ています。民進党のカジノ法案についての煮え切らない態度は共闘支持者を大いに失望させ、怒らせています。

 いま民進党は小池百合子人気にあやかって生き残ろうとしているようですが、正直、どうあがこうが民進党の解体は避けられないでしょう。あの政党は右に進むも左に進むも地獄しかありません。先日の『エコノミスト』の表紙の塔のカードのように。

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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