見えているものは実態ではない。安倍官邸の進める分断工作の狙いは改憲

 産経新聞がまた妙な記事を出しました。自公が関係修復を急いでいるというニュースです。


自公、関係修復急ぐ 幹部ら相次ぎ会食、結束アピール

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161225-00000049-san-pol

 自民党の二階俊博、公明党の井上義久両幹事長が24日夜、都内のホテルで会食した。両氏は22日に安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表の会食に同席したばかり。首相が24日昼に日本維新の会前代表の橋下徹氏らと会食した中、自公両党幹部の相次ぐ会食は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法でぎくしゃくした関係の修復を急ぐ狙いがあるようだ。

 幹事長の会食には自民党の竹下亘、公明党の大口善徳両国対委員長も同席。竹下氏は記者団に、来年の通常国会に向け「自公で仲良くやろうと話した」と語り、大口氏は「結束を確認した」と強調した。

 新年会の開催も確認した与党幹部だが、結束のアピールは「すきま風」の裏返しともいえる。IR法で公明党は自主投票に追い込まれ、井上氏は成立を急いだ自民党を公然と批判した。

 事態を重く見た公明党の太田昭宏前代表らは15日夜、二階氏らと会食。IR法は山口、井上両氏ら幹部が反対したのに対し、党全体では太田氏ら賛成議員が上回った。井上氏は「二階氏と肌が合いにくい」(党幹部)とされ、自民党とパイプが太い太田氏らが収拾に乗り出した形だ。

 おもしろくないのは井上氏だ。事故で療養中の谷垣禎一前自民党幹事長が会長を務める自転車関係の議員連盟の16日の会合では「私も『チャリラー』。谷垣先生がいないのは残念だが、早く良くなってまた一緒に走りたい」と述べた。

 気心の知れた谷垣氏へのメッセージが現在の与党間の溝を象徴しているようだ。

……転載終わり


 いま国内政治の流行は内部対立です。問題はなぜそんなことが起きているかを知ることです。それを知るためには、政治の主導権を握っているように見える安倍官邸の政権運営の狙いを知るのが一番いい。

 ご存知の通り安倍政権最大の狙いは憲法改正ですが、公明党は積極的に賛成というわけではありません。しかし、いまのところ両党は安保関連法でも歩調を合わせています。しかし、改憲となれば学会内部の反発は安保法制の比ではないでしょう。無理に押し通せば、学会員の自民党離れを促進します。学会がいなければ自民党は選挙に勝てません。

 安倍政権は改憲を実現しつつ、政権を維持するためにいろいろな策を弄す必要が出てきました。例えばIR法案はトランプに媚びを売りつつ、改憲派の維新と手をつなぐためのエサとして使われました。

 安倍官邸は最大の目標を実現するために、改憲派との関係を強める両建て戦略を進めています。特にクリスマスに橋下と会食したように、橋下徹と日本維新を重視しています。


政界復帰をみんな期待?橋下徹氏が安倍総理と会談、その意味とは

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161225-00010003-abema-pol

 24日、安倍総理が日本維新の会の法律政策顧問を務める橋下徹前大阪市長と会談を行った。

 一年を振り返り、自民・維新両党の今後の連携を確認するとともに、安倍総理としては今後も国会対応などで維新の協力を得たい考えだ。

……引用終わり


 IR法案の裏で改憲のための枠組みをどう作るかを考えるために、安倍政権は維新と距離を詰めることで公明党に揺さぶりをかけました。とはいえ、安倍は国政で公明党が自民党との連立を解消するとはかけらも思っていないでしょう。公明党は自民党が下野すると確信するまでは自民党についていくでしょう。だから産経が書いているように、自民と公明が仲たがいすることはありません。維新だって、小池百合子だって、しょせん自民党の一派閥に過ぎません。

 とはいえ、支持者の問題もあるので、公明党はIR法案という踏み絵で、自民党都連とは連立を解消して、IR法案に幹部が反対するという形で維新との接近に待ったをかけました。しかし、これはあくまでポーズに過ぎないので、連立が終わると期待するのは間違いです。


 もう一つの安倍官邸が考えているのは、民進党をどうするかということです。衆議院は自民と維新で3分の2を得ているのでいいのですが、参議院では自公維合わせてやっと3分の2を得ているにすぎません。公明が反対すれば改憲は実現できない。そこで、安倍政権はなんとかして民進党内部の改憲派を味方につけたいと思っています。

 そのための最大の障害は共産党です。共産党と野党共闘の枠組みがあるせいで、いま解散すると自民党は議席減となり、改憲が遠のきかねない状況になっています。遅くとも2017年中には勝てる枠組みを作らなければ改憲は無理なので、そのためには民進党を分断するか、改憲に肯定的な立場に誘導したいと彼らは考えました。

 ではどうするかというと、彼らは連合利用した分断工作を実行します。ご存知のように、連合の神津会長は野田佳彦と仲良しですが、それだけでなく電力総連、つまり原子力ムラの住民であることから、考え方は自民党とほぼ同じです。これを利用して連合に野党共闘を妨害させて、民進党から共産党を引きはがそうとしました。これに成功すれば、民進党は安倍政権の下での改憲に反対するという共通公約を破壊でき、かつ共闘を妨害することで自民党の議席を守ることができます。

 しかし、共産党が新潟県知事選挙の勝利後に強気に出て、連合とどちらを選ぶか判断させることで、民進党内部はさらに混乱します。一見するとよくないことが起きているようにも見えますが、必ずしも見かけが正しいとは限らないのです。対立や混乱がないほど独裁者は独裁を進めすいと知っているならば、混乱から活路を見出す可能性に賭けるべきでしょう。現状は決して悪くはないと思います。

 それにしても連合はすっかり自民党の犬になりさがっています。


首相、連合会長と22日会談 民進との協力関係くさび

2016/12/21 2:00

日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H47_Q6A221C1PP8000/

 安倍晋三首相は22日に連合の神津里季生会長と首相官邸で会談し、働き方改革の実現や賃上げに向けた要望を聞く方針を固めた。首相はこれまでアベノミクスの政策効果を広く浸透させるため、経団連など経済界に賃上げなどを促してきた。2017年の春季労使交渉(春闘)でのさらなる賃上げには、労働界との連携も必要だと判断した。

……引用終わり


 要するに、賃上げでエサをやるからついてこいと言っているわけですが、実際にはベアの基準となるトヨタが超が付くほどのケチ企業なので、たいして賃金は上がらないでしょう。

 とはいえ、連合が自民党を支持するというわけではありません。これからも連合には、共産党との野党共闘を妨害するようお願いしただけという可能性が高いです。

 連合という組織はとんでもなく巨大な組織なので、全員が神津会長と同じ意見を持っているとは思えません(神津会長にそれだけの統率力があるとも思えません)が、それでも官製春闘で賃上げが成功する限りは積極的な反対は出てこないでしょう。対立が表面化するとすれば、それは働き方改革が経営者よりすぎるとか、賃上げ額が少ないとか、トランプ相場が崩壊して世界不況に突入してリストラの嵐になるとか、そういう理由です。

 とにかく、安倍政権は外交では完全な失敗を重ねていますが、改憲のための工作活動は着々と進めているということを伝えておきたいと思います。

にんじんスコール注意報

空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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