参議院選挙の公示と選挙制度の問題2

 本日は、衆議院選挙で採用されている小選挙区比例代表並立制と、参議院選挙の一票の格差についてお話しします。

 今回は参議院選挙なので、衆議院の選挙制度には深入りしませんが最初に説明します。


 まず、小選挙区比例代表並立制という制度は、小選挙区制度と、比例代表並立制を併用した制度で、小選挙区制度では一つの選挙区につき一人の衆議院が選出されます。

 この選挙区というものは衆議院議員選挙区画定審議会により決定され、世論を参考に衆議院議員選挙区画定審議会が10年ごとにチェックして、ある程度改変していきます。

 決められた選挙区で政治家の当落を選挙で決めて、最多票を獲得した人が当選です。こうした選挙区が295区あり、295人の衆議院の当落が小選挙区制で決まります。


 次に比例制度は、日本全国を11のブロックに分けて行われて、拘束名簿式という形で、政党に投票します。そして、集まった票がドント方式によって計算し、得票数に応じて覚醒党の比例名簿の上位の人たちが当選します。

 この制度は、1994年に細川連立内閣の時に、中選挙区制度による政治資金の腐敗を廃止することを念頭において政権交代を起こしやすくするために導入したものです。小選挙区制度では一番の候補者以外は全員落選します。つまり、せっかく投票しても、当選しない候補に投票した分は無駄になります。まあ、選挙の厳しさという意味ではそれもありなのかもしれませんが、例えば直近の2014年12月14日投開票の総選挙では、与党の自民党公明党合わせて、小選挙区の全投票数の49.55%と過半数とれていないのに、議席では78.64%と5分の4近くを獲得しています。

 比例票は得票率と議席数は一部少数政党が議席を取れない場合を除いて、ほぼ得票率と議席が連動しています。

 しかし、衆議院議員の5分の3ほどは小選挙区で決まるので、与党の自民公明が3分の2を獲得するという形になります。

 小選挙区制度の問題は死票が多いことで、民意を議席数に正確に反映できないことがあげられる。小選挙区制度しかないイギリス下院の総選挙などはもっと極端で、第四党となった自由民主党(日本の与党と名前が同じですが、まったく別の政党です)は、第三党に大躍進を果たしたスコットランド国民党よりも全体の得票が100万近く多いにもかかわらず、議席では48議席少ない8議席となっています。


 党派別議席と得票

党派 議席数 増減 得票数 得票率 増減

保守党 Conservative

331 △24 11,334,920 36.9% △0.8%

労働党 Labour

232 ▼26 9,347,326 30.4% △1.5%

スコットランド国民党 SNP 56 △50 1,454,436 4.7% △3.1%

自由民主党 Liberal Democrat 8 ▼49 2,415,888 7.9% ▼15.2%

民主統一党 DUP

8 0 184,260 0.6% 0.0%

シン・フェイン党 SF

4 ▼1 176,232 0.6% 0.0%

ブライド・カムリ PC

3 0 181,694 0.6% 0.0%

社会民主労働党 SDLP

3 0 99,809 0.3% 0.0%

アルスター統一党 UUP

2 +2 114,935 0.4% 0.0%

イギリス独立党 UKIP

1 △1 3,881,129 12.6% △9.5%

緑の党 Green

1 0 1,157,613 3.8% △2.8%

同盟党 Alliance

0 ▼1 61,556 0.2% △0.1%

その他の政党 0 0 123586 0.3%

その他 Others 1 0 164,826 0.5% ▼0.3%


 衆議院選挙はこんなものでしょう。次に本題の参議院選挙制度です。

 みなさんは、参議院選挙についてどのような考えを持っているでしょうか。ふつう、参議院選挙では3年ごとに過半数が改選されます。参議院議員は242人ですから、121人しか選挙に出ていません。衆議院選挙の場合は小選挙区295人の枠に、比例の候補者がいますから、参議院選挙は候補者が少なく盛り上がりにかかる傾向があります。参議院選挙で勝っても政権交代できるわけではないし、参議院選挙の投票率は衆議院選挙と比べて明らかに低い傾向があります。

そのため、なにも考えずに与党に投票する人もいたり、逆に普段支持している与党に対してお灸をすえるという形であえて野党に投票することもあって、バランサーとしての役割を果たしてきたわけですが、それでも55年体制下では参議院で与党の自由民主党他が過半数を割ったのは数えるほどしかありません。そのうちの一回が2007年の参議院選挙です。

 直近3回の参議院選挙における自民党の得票に触れながら、参議院選挙の問題点を語っていきます。

 2007年参議院選挙は第一次安倍政権の時に行われた選挙ですが、直前に農水大臣の連続辞任に果ては自殺者まで出て、選挙時に新潟県中越沖地震が起こり、総理は現地入りしたがパフォーマンスだと小泉流のパフォーマンスには乗らないと痛い目を見たマスコミがバッシングしたため自民党は選挙区で1860万票、全体で38議席しか取れない大敗を喫して安倍総理は退陣しました。

 2010年、民主党に政権交代した直後の選挙でした。自民党は選挙区で1949万票を取り、51議席を獲得しました。なお、同選挙で民主党は比例でも選挙区でも自民党より得票が多かった(比例1845万、選挙区2275万票)にもかかわらず44議席しか取れませんでした。これは参議院選挙では一票の格差が大きく、地域によっては5倍以上の格差が自民党を有利にしているためです。

 これが参議院選挙の問題点の一つです。参議院選挙では一票の格差は5倍以内にしろと最高裁に言われていますが、衆議院の一票の格差は2倍以内なのに、なぜ参議院選挙では5倍以内が許されているのか謎です。そのため、2010年のように、得票では上回っている民主党が自民党に負けるという奇妙なことが起こっています。

 たぶんみなさんは具体的な問題について聞くのは初めてだと思います。ただ、2010年の参議院選挙では自民党が議席を多くとったと思っていたとなんとなく考えていたかもしれませんが、得票数と獲得議席数のねじれが存在する選挙だったというのが事実です。

 そして、この一票の格差のために、どれだけ首都圏で得票を伸ばしても、参議院選挙の勝敗には直接的な影響が出ないのです。

 衆議院選挙制度もそうですが、誰が見ても自民党にとって有利な制度であることは明白です。

 そして2013年の参議院選挙では、自民党は比例で1846万票、選挙区で2268万票と前回の民主党並みの得票を実現して65議席を獲得しました。同じ得票数でも44議席と65議席ではずいぶんと違いがあります。その違いが生まれた最大の原因は投票率が前回より10%近く下がり、それとほぼ同じだけ民主党が大きく得票を減らし、比例713万、選挙区864万で17議席しか取れなかったことも影響しています。

 しかし、制度上の問題点を言うと、31あった一人区のうちのほとんどで負け越したことが原因です。

 参議院選挙の問題点その2。それは現在32ある一人区が選挙の勝敗を決定づけるということと、この一人区は自民党の保守地盤であり、そもそも自民党が有利な制度となっているということです。

 さて、以上衆議院選挙と参議院選挙の問題点を見てきましたが、選挙制度の問題を一言でいうと、現行の選挙制度そのものが自民党にとって有利で、少数政党にとって不利な制度だということが言えます。

 なぜこうしたことが起こるのか、というと、選挙制度を議会の多数派で決定してしまう以上、当然少数派が不利な制度になるのは当然ですよね。

 ですから、対策としては選挙制度改革を国会の多数派に任せるのではなく、選挙制度を国会議員と全く無関係な団体を作り、そこで決めるという考え方があります。一票の格差を問題視しているのは司法ですから、司法が選挙制度を提案するというのも選挙制度のやり方としてあり得るかもしれませんし、税金で独立機関を作り、公平な選挙制度を作るというのもありえるでしょう。

 ともかく、選挙制度改革を国会議員にやらせる限り、問題は解決しません。これは資金の不正についても同じで、よほど潔癖な政治指導者でもない限り、政治資金の不正をただす法律を作るのは難しいでしょう。

 わたしの提案としては、そもそもすべて国会で決めることがいいのかという点について考える必要があるかもしれないということです。どれだけ公平な提言をしても、選挙制度を変えて落選する可能性のある議員たちが改革に乗り気なわけがないという問題をなんとかしないといけないでしょう。

 これで選挙制度の問題点は終わりですが、EU離脱について一言。世論調査はきっ抗しているようですが、株式市場はなぜ残留を予想して株価が値上がりしています。まあ、上げて下げるということなのかもしれませんし、残留するとすでに決まっていることを知っている人たちがいるのかもしれません。

 まあ、どちらにしても明日の昼を待ちたいと思います。


では、また あした

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空からにんじんが降ってきてなにかが変わったらいいなと願っているブログ。 ……というのは冗談。 第三次世界大戦に関することや世界統一政府に向かう陰謀シナリオなどを予想したり、時事ネタなどを書いています。

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